掛川市東山地区他に位置する標高500mほどの小高い山、粟ヶ岳。この山頂の建築は、世界農業遺産認定された「静岡の茶草場農法」の茶畑、遠くに望む富士や南アルプスの山々、そして駿河湾から伊豆半島と、青と緑が織りなす珠玉の風景といった既存価値を増幅し、さらにはそこでの新しい体験価値を創造し得る体感型テラスである。粟ヶ岳の景観形成と世界遺産ビジターセンターとして眼下からのランドマーク性を意識し、建築形態のモチーフとしたのは茶草場農法で使用され地元農家が「かっぽし」と呼ぶ刈り取った草を束ねて干す円錐状の形態。このヴォリュームを2つ並列し、構造的にも機能的にもコアとした。水平デッキ屋根を架け渡し、2階部分は展望デッキ、1階部分はそれを庇とした休憩スペースとしている。そして、構造体にはまさにこの山の一部であったスギ(一部、ヒノキ)を使用し、かっぽしの如く支え組み合わせるようにして構築した。木造で国際認証FSC全体プロジェクト認証取得。全国3例目の公共事例。
建築主 | :掛川市 |
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所在地 | :静岡県掛川市東山 |
敷地面積 | :2561.5㎡ |
建築面積 | :221.14㎡ |
延床面積 | :256.79㎡ |
構 造 | :木造 |
階 数 | :地上2階建て |
竣工年月 | :2019年(R1年)5月 |
撮 影 | :伊藤まどか |
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