2024.05.27NEW
こんにちは。
設計スタッフの谷野(仁)です。
少し前にお休みをいただき、エジプト旅行に行ってきました。
小学生の頃からテレビのピラミッド特集に釘付けになっていた私にとっては憧れの国です。
古代エジプト文明の歴史は長く、紀元前3000年頃に最初の王朝が誕生し、紀元前30年に最後の王朝が終わりを迎えたとき日本はまだ弥生時代ですから、途方もなく遥か昔に高度な文明が栄えていたことに驚きです。
ファラオといえばツタンカーメンやクレオパトラが有名ですが、最も偉大な王とされているラメセス2世は建築王とも呼ばれ、神殿などの巨大な建造物が今も多く残っています。
今回は古代王朝時代~新王国時代~末期王朝時代の遺跡を見るために、ナイル川北部に位置するカイロ、ギザのほか、頑張って足を延ばし南部のアスワン、ルクソール、国境そばのアブ・シンベルにも行くことができました。
どの遺跡も古代の人々の技術の高さと芸術性の豊かさに感動の連続です。
世界遺産になる貴重な遺跡ばかりで途中から感覚が麻痺してくるほどでした。
ひとつひとつの感想は書ききれないので写真を載せます。
ギザのピラミッド(クフ王、カフラー王)
朝日が当たるアブシンベル神殿
王家の谷(ツタンカーメン王墓)
ハトシェプスト女王葬祭殿
ホルス神殿
このほかにカルナック、ルクソール、イシス、コム・オンボといった巨大な神殿をめぐっています。
古代エジプトの人々は太陽を復活の象徴として崇拝しており、南北に流れるナイル川を境に太陽が昇る東岸は生者の地域、日が沈む西岸は死者の地域とされていました。
そのため、神殿や居住域は東岸、ピラミッドや王家の谷などの王墓はすべて西岸、とはっきり別れた配置となっています。
ピラミッドの正面が東を向いていたり、神殿に朝日が差し込むと王の像に当たる仕組みになっていたりすることから、太陽を重視し、死後の復活を強く意識して生きていたことが伝わってきました。
日本のように多神教であったため、神殿や王墓では様々な神様の姿を見ることができます。
私のお気に入りはハヤブサの姿をしているホルス神と、愛の女神とされていたハトホルです。
一緒に行った友人の推しはセト神なのですが、神話では悪役とされているため登場するレリーフや像がほぼなく、とてもレアキャラだということが発覚...。
どの時代の権力者も同じかもしれませんが、ファラオたちは顕示欲が強かったようで、神殿には王の偉大さを表現したレリーフがたくさん残されています。
一見美しく見えるレリーフですが、戦争の荒々しい様子や敵国の奴隷たちなど、実は恐ろしい内容も描かれており、神々しい神話の世界だけでなく人間の生々しさも感じられる空間でした。
奴隷を捕まえる王のレリーフ
オシリス神に王の姿を融合した像
文明の豊かさに感動するだけではなく、時代を越えて当時の人々の思いや感覚を共有するという経験がとても印象的な旅となりました。
ところで、来年春に「ラムセス大王展 ファラオたちの黄金」展が東京で開催予定だそうです。
エジプトに興味のある方は是非行かれてみてはいかがでしょうか。
私は今から楽しみにしています。
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