2024.03.04NEW
先日、ホテルオークラ東京へ行ってきました。
行ったといっても宿泊したわけではなく、ロビーを参考に調査に行ってきました。
仕事でホテル改築に携わらせてもらっているので
ここのところ参考にホテルを見学に行ったりしています。
ホテルオークラというと日本でも有数の老舗ホテルで老朽化に伴い、数年前に建て替えられました。
建て替えられた新館は谷口吉生さん設計で父親である谷口吉郎さんデザインのロビーを
見事に再生、継承されているそうです。
庶民のわたくしは当然のように旧館とて利用したことがなく、その再現性については
わからないのですが、日本の伝統美とモダニズムがうまく融合され、
細部にわたって計算され尽くした教科書のような建築だと感じました。
近代以降の名建築というのは文化遺産として残そうと思っても耐震性などいろいろな問題で難しく、
保存ができても、そのままの建築用途として使われていくことがほぼありません。
そういった意味でもこのオークラ東京はホテルの機能を維持しながら再生し、
この先50年、100年と継承されていくとても稀なケースではないでしょうか?
昨年、金沢の谷口吉郎・吉生記念建築館にも行きましたが、
二代にわたって世界的な建築家という谷口親子だからこそ成せる業かもしれません。
ちなみに参考にするために訪れたのですが、そのラグジュアリー感は凄まじく
実際の設計で真似できるようなものではないなあ...と感じました。
でもいつか、見るだけでなく実際宿泊し、客としてこのロビーを体験してみたいと感じさせられる建築でした。
石 田
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