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しりとりのようなデザイン

2023.10.16NEW

こんにちは。設計スタッフの浅井です。

少し前の出来事にはなりますが・・・

千葉県の大多喜町というところにあるmitosaya<ミトサヤ>薬草園蒸留所へ行ってきました。

千葉の山間部の大自然の中にある蒸留所で、元は薬草園だった場所を改修によって蒸留所へ生まれ変わらせた施設です。

知人から蒸留所の存在について教えてもらってからずっと気になってはいたのですが、
常に一般開放されていない施設なので、年に2回だけ開催されるオープンデーと呼ばれる一般開放日に合わせて
訪問しなければならず、今回ようやくタイミングが合い念願叶って行くことができました。

敷地内には薬草を育てるためのビニールハウスがあったり、周囲の草花には学名や品種が書かれた名札がついていたり、薬草園として利用されていた頃の名残が各所に散りばめられていてとてもワクワクします!

オープンデーでは敷地内で育てられているハーブを利用した料理が振る舞われたり、蒸留酒のテイスティングができたりするのですが、ほとんど全ての居場所が屋外に展開されているためとても開放的で気持ちの良い空間です。

屋外に置かれた大きな円形のテーブルを囲んで食事をしたり、東屋の下で植物の販売が行われていたり、周りは初めて出会った人たちばかりなのに、なんだか友達のような距離で話してしまうくらい温かい雰囲気がありました。

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↑屋外に置かれた円形テーブル

建築としては、既存の薬草園の管理棟を蒸留所として改修したことが大きな変化で、それ以外は建物のアプローチの位置の変更や家具などを各所に付け加えていく小さな変更点によって全体がつくられています。

設計を担当した建築家の中山英之さんは、「基本的に使えるものはそのままで、新設する場合もそこにあるものを汲み上げるように設計している。そこにあるものを''しりとり''するみたいな感じでデザインした。」と言っていました。改修をしりとりで例えているのがなんだかとてもしっくりきて、既存の残すべきものを見抜く作業が改修では大切になるのだなと改めて感じました。

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↑セラー内部の様子

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↑ビニールハウスの中の物販

実際に訪問してみて、薬草園を蒸留所に改修するという飛躍的なアイデアと、そのアイデアを実践していくプロジェクトメンバーの熱量に圧倒されました。大自然に身を置いて、体に良い美味しい食事ができて、心も体もリフレッシュできた素敵な1日でした。

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