2023.10.02NEW
こんにちは、杉山です。
先日、千葉県木更津市にあるクルックフィールズに行ってきました。
クルックフィールズとは、「農業」「食」「アート」を軸とした複合施設で、
30haもの広大な農場に、多くの野菜を育てたり、家畜を飼育したりしながら
人や社会の豊かさを提案していくプロジェクトを行っています。
敷地内には草間彌生さんなどのアート作品や宿泊施設、飲食店が点在し、
それらの建物についても有名な建築家たちが手掛けているため、
一日中滞在しても飽きない空間となっています。
今回、この施設に訪れた目的の一つが、2023年2月からオープンした地中図書館を見学することでした。
私自身、この場に訪れるのは2回目だったのですが、
以前訪れた際にはまだ工事中だったので非常に楽しみにしていました。
この建物は名前の通り、土に埋もれた図書館で外からは発見しにくい建物です。
本棚が横長に並び、天井が低いエントランスを抜け、
奥へ進むと天から自然の光が降り注ぐホール(読書スペース)に繋がる空間構成となっています。
ランドスケープが次第に建築となっていくような空間のボリューム構成による演出が
心地良い場を作り出しているように感じました。
また、本棚を構成する40mm厚の縦桟は建物の構造も担っていて、
建築の構成と機能が相まっていて感銘を受けました。
設計は建築家の中村拓志さんで、土の中の微生物が植物から豊かな栄養を受け取るように、
土の中に潜り込んで本を読み、知を蓄え、想像力を養い、再び台地を踏み締め、
未来へと歩を進める人々の支えになるような場所を目指したそうです。
周辺環境や用途に対する思想、建築の在り方が個人的に好みで、非常にいい体験になりました。
訪れたその地で物語が紡がれていくような体験やキッカケの支えになれる建築の設計ができることを目指して、
今後もいろいろな体験をしていきたいと思いました。
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