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感情的持続可能性

2023.09.04NEW

こんにちは。設計スタッフの本田です。

少し前ですが、『ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築』と
『ハシモトユキオノモケイ展』に行ってきました。

ヘザウィック・スタジオとは、1994年に英国人デザイナー トーマス・ヘザウィックに
よってロンドンに設立され、ニューヨーク、シンガポール、上海、香港など世界各地で
革新的なプロジェクトを手掛ける、現在、世界が最も注目するデザイン集団のひとつとのことです。

私の場合はニューヨークにできたリトル・アイランドに驚き、調べたところそのデザイナーの
展示会が東京で開催されていると知り、是非行ってみたいと思ったのでした。

『ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築』は森美術館で開催され、行った当日は
最終日とのこともあり、かなりの混雑具合でした。

建築展というと、模型・図面・スケッチ・エスキス・モックアップの展示が
多いと思います。今回もそれはそうなのですが、中でも印象に残ったのが
精度の高いモックアップや現物展示の多さです。もはや工芸品のレベルです。

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その後、a+uの特集を読むと、ヘザウィック氏は職人気質の人々に囲まれて育ち、

学生時代は建築ではなく素材を学ぶコースに在籍したバックグラウンドがあり、

素材の可能性を純粋に探究する造形デザインに根ざし続けているという。

そして、手のスケールからそのまま建物へと移る思考であるとのことで、
なるほど、展示会で感じたことが腑に落ちました。

そして、その手法の結果がどうなるかというと、建築がいかに人間との
感情的つながりを生み出し、感情的持続可能性とも呼ぶべき、サステナビリティ
=長く生き残る建物になるのではないかということ。

個人的に思ったのはこういった思考のスタジオが上海万博の英国館などの
国家的プロジェクトやグーグル・ベイ・ビューなど、数々の世界の
ビッグプロジェクトを任される程既に認知されていて、
世界はこの感情的持続可能性をもっと見直す方向に行くのか、
自分もその点を意識しながら、これから設計・デザインをしていきたいと思いました。

↓上海万博 英国館 模型

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↓現在建築中の麻布台ヒルズのヘザウィック・スタジオが担当する低層部棟と

その模型が一堂に見ることができるのは森美術館ならでは。

 

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その次は、南青山のLIGHTBOX ATELIER / SEMPREで開催されている『ハシモトユキオノモケイ展』へ。
昨年惜しくも急逝されたインテリアデザイナー 橋本夕紀夫氏の初の模型展です。
学生時代橋本先生に習っていたこともあり、現橋本事務所のスタッフで当時のクラスメイトから
開催の連絡をもらい、足を運びました。

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こちらも盛況で、来場者と見ると関係者というよりインテリアデザインを学ばれている
学生さんのような方が多く、とても熱心に見られてました。

社長を引き継がれた奥様も会場にいらっしゃり、スタッフの皆さんもあまりに
急なことで気落ちされてないか心配でしたが、気丈にされていました。

展示内容は商店建築で見たことある!という物件ばかりで、橋本事務所の
これまでの軌跡を辿ることができました。
クラスメイトが担当した物件もあり、色々な苦労話しなど直接説明を受けながら
見ることができて、とても貴重な体験をさせていただきました。

展示されていた模型は建築模型とはかなり違う印象でしたが、
こちらもある意味前述のヘザウィック・スタジオの「素材の可能性を探求する」と
いう点には近いのかもしれません。手を動かながら考えているような印象でした。

ちなみにLIGHTBOX ATELIER / SEMPREが入っているビルは中村拓志氏によるもので
この特徴的な窓ガラスは観世水という古典柄を表現しているそうです。
当然特注だと思いますが、これも前述の話しとつながっている気がしました。

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