2023.01.30NEW
こんにちは 設計スタッフの竹内です。
皆さんの住まわれている家の玄関はどちらに開きますか?
おそらく外に開く(外開き)のではないでしょうか。
外国映画を見るとほとんど内側に開く(内開き)イメ-ジがあります。
時代劇を見ると長屋の出入り口は引き戸でお城の門は開き戸が主流ですね。
開き戸は加工も金物も高価で庶民には浸透しなかったのでしょか。
明治後期から西洋文化の流れから一般の玄関でも開き戸が使われるようになったようです。
今は亡き建築家 宮脇 檀は人を迎え入れることから内開きが良いと著書のなかで言っていました。
なぜ日本は内開きが主流で外開きが少ないのでしょうか。(最近は玄関扉が内開きも増えています)
理由を考えてみましょう。
外開きなら段差を設けることが出来るため雨の多い日本では雨水の侵入を防ぎやすくなります。
内開きだと外とフラットな納まりが主流のため簡単に雨が室内に流れ込んできてしまいます。
もっと他に理由があるのでしょうか?
私は、海外と日本の治安の違いではないかと考えます。
日本は治安が良く防犯意識が低い国といえるでしょう、私の子供のころは玄関が施錠されている家はあまりなかった記憶です。寝るときと出かけるときくらいしか施錠しませんでした。
ご近所とのつながりも密で見慣れない人は目立ったと思います。
外からの侵入者を防ぐのは内開きが圧倒的に有利です。全身で扉を押えれば侵入を防ぎやすくなります。
逆に外開きはドアノブを引いて抵抗するしかありません。
想像するだけで不利なことがわかります。
日本は世界的に安全だったため雨仕舞の良い外開きが主流になったのではないかと思います。
一般的にトイレの設計をするときは公衆トイレなどは防犯の観点からから内開きで設計します。
病院などは中で患者さんが倒れている場合を想定して外開きにしています。
最近ではいい商品が出ていて 通常は内開き 緊急時は外開きになったり扉が外せるいいとこどりの金物を使います。
扉の開く方向で文化の違いが出ているのは面白いですね。
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