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大塚国際美術館に寄せて

2023.01.16NEW

年末年始にかけて、タイトル【われ去りしとも美は朽ちず】という玉岡かおる著の小説を読みました。この本は、徳島県鳴門市にあります大塚国際美術館を、鴻塚国際美術館に変えて、建設企画から完成までを一つの物語として書き上げた本です。

大塚製薬をもとにして、オロナイン軟膏・ポカリスウェット・ボンカレーなど今では

誰もが一度はお世話になっている製品を世に送り出している大塚ホールディングスが、一から十まですべてを私財で作り上げた美術陶板美術館です。建築界では有名な大塚オーミ社製の大型美術陶板を1000枚以上作成して新設の美術館に展示する苦労の物語です。

 その美術陶板を、全世界の有名絵画を特殊な転写技法で大きさから色や額縁まで、そっくり同じにするという途方もない計画の美術館です。木製の飾り額縁などは、大きすぎて日本では作れなくてイタリアの額縁職人に2億円かけて依頼したことや、システィーナ大聖堂の内部天井・壁の壁画をそのままの姿で復元する環境美術展示など、今までに無い大胆な展示方法が取られていることに圧倒されます。国定公園の為に高さ制限があるので、美術館のほとんどを地下に建設して、建築条件の高さをクリアしたとのことです。

 大塚会長は、紙に書かれた絵画は日々少しずつ劣化しており、百年後にはボロボロになるか色あせてしまうことを耳にして、当社の美術陶板で復元すれば劣化もせず色落ちもしないので、人類の将来の為に時代毎の有名な絵画を陶板で残すことに決めたとの事。その志を読んでとても感動しました。今年、私の旅行先は大塚国際美術館のある徳島県鳴門市に決めました。そして、超有名な鳴門の渦潮も併せて見てきます。お正月の抱負でした。

岡田

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