2022.10.31NEW
こんにちは、杉山です。
先日、和歌山県にある南方熊楠記念館に行ってきました。
以前から南方熊楠に興味を持っていたため、建築物含め良い刺激になりました。
南方熊楠といえば、博物学・生物学・民俗学の巨星と言われ、
多分野で研究の成果をあげた知識人であり、日本で最初に「エコロジー」を訴えたことでも有名です。
熊楠は「相即相入」という、人間と自然に境界はなく互いに浸食し入り込む状態を示す
仏教の概念からエコロジーの思想を構築しているため、
この建築の空間づくりもその思想に呼応して考えられています。
狭い敷地の中で高低差も大きく、熊楠の思想空間であることも相まって
非常に制限された中での工事であったことが想像できます。
そんな中でも、様々な配慮がされていることに感動しました。
例えば、2階のボリュームは必要面積確保のために周囲の森に沿う有機的な形状にしていることで、
樹木の伐採範囲を最小限に抑えているそうです。
建築という行為は、環境破壊と隣り合わせであると思うので、
熊楠のエコロジーの精神をもとに様々な気遣いを常に意識して建築物を考えていきたいと思います。
竹下一級建築士事務所HOME > ブログ