2022.06.06NEW
谷野です
今年のGWは5/2をお休みすることで長期連休となった。
長年熊野に行きたいと思っていたが日帰りはもとより一泊でも厳しいところなのでこの連休を使って熊野まで2泊3日で行ってくることにした。
熊野に行く目的は3つ。
一つ目は熊野古道を歩く
二つ目は熊野三大社をお参りする(いわゆる観光)
三つめは熊野古道なかへち美術館に行く、だ。
今回のブログではその中でも主に「なかへち美術館」について報告させてもらう。
この美術館は妹島和世+西沢立衛によって設計され1998年に竣工している。
当時雑誌で見て、「こんなガラス張りの美術館ありえんだろう」と思ったことと「それにしてもきれいな建物だ」と思った記憶があり長いこと気になっていた建物だ。
その後、熊野古道に興味がわき、熊野古道に行くときはセットで行くことを決めていた。
美術館は熊野本宮大社から車で山の中を1時間ほど行ったところ、熊野古道中辺路ルートのちょうど中間あたりで、山の中でそこだけ少し広くなったところにある小さな町に建っていた。
雑誌の写真で見たイメージよりかなり小さなものだったが間違いなくその建物だ。
ガラスと同じ幅の金属パネルが整然と並んでいるだけで高さも一定なのに決して単調に見えない、微妙に角度を変えた外壁面。たしか平面は正方形の建物に収蔵庫や機械室がくっついているだけなのにそんなふうには見えない。残念ながら周囲の芝生は手入れが悪く、建物もメンテが出来ていないのだろう、笠木などに錆が見受けられるが、緊張感と透明憾は決して失われていない。
さて中に入ってみると、雨の日だったが明るく気持ち良いロビーだ。
展示室の周りをガラスの回廊が廻っている、確かに正方形だ。私が雑誌で展示室だと思っていたところは交流スペースで絵を展示するところではなかった。
展示室はその回廊の内側、当然窓の無い部屋だった。展示を見た後、所蔵品の画集を購入し、美術館建設の小冊子などを無料でいただいた。
外壁全部がパンチグメタルでガラリの無い機械室、空調の吹き出し口がオブジェのように配置された壁、展示室横の空調機室もパンチングメタルで中から光が漏れていて光壁のようになっている。
展示室は1室で遠くから行って絵画を楽しむというような美術館ではないが、建物を見るという意味では見ごたえのある美術館だった。
熊野古道は、中辺路ルートの本宮大社の直前20kmのクライマックス部分を歩いた。「たかが熊野古道」と思っていたが実際にはGPSのログによると累積登距離1200mでちょっとした登山並みだった。古道の報告は今回は写真紹介だけとして機会があれば報告させてもらうこととする。
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