2022.04.11NEW
こんにちは。設計スタッフの内藤です。
今回は私の浜松のお気に入りスポットを紹介します。
浜松駅から西へ徒歩20分くらいのところに、旧浜松警察署庁舎をそのまま活用した鴨江アートセンターという建物があります。RC造3階建てで、近世復興様式の建物です。近世復興様式は明確な定義はなく、明治大正時代に建てられた、レンガ造りや装飾的な洋風建築物のことを言う、との見解があります。外観の現状はモルタル仕上げのシンプルな見た目で近世復興様式と呼ぶのは少し疑問に思いますが、かつては全面に日華石のタイルが貼られ、屋上には望楼があったそうです。建物内は、人研ぎの重厚感ある階段の手摺、奥行きを演出する連なるアーチ、柱頭やアーチ端部の手作り感あふれる装飾などが特徴的です。
ここでは展示やイベント、ワークショップなどが頻繁に開催されていて、市民の文化活動、交流の場となっています。親子連れや勉強している学生、散歩の途中にふらっと立ち寄った様子の人たちがいて、誰にとっても居心地のよい場所になっていると感じます。
1階エントランスホールには広々とした空間に旧庁舎時代から使用されている机と椅子が並べられ、一角の棚にはレコード類とプレーヤーが置かれています。懐かしい雰囲気漂う空間となっています。
また、7つの雰囲気の異なる貸室があり、大部屋ではイベントやワークショップを行い、個室は創作活動をするアトリエとして利用されています。2階ロビーには3Dプリンターも設置されています。
人々が気軽に立ち寄れ、気軽にアートを体験でき、気軽に何かをはじめられる、市民に寄り添った芸術活動の場になっています。集まった人たちが繋がり、また別の新しいことが生まれていく。まだ他にも様々な使い方の可能性がありそうで、これからこの場所がどのように変化していくのかが楽しみです。
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