設計スタッフの雨宮です。
コロナや戦争のニュースばかりで気が重くなっているこの頃ですが、先日の日本アカデミー賞授賞式で旋風を巻き起こしていた
映画「ドライブ・マイ・カー」が本場アメリカのアカデミー賞で作品賞に選出されたというニュースは映画に詳しくわない者としても喜ばしいかぎりです。
さらに、日本アカデミー賞で主演男優賞を受賞した西島秀俊さんのスピーチもすばらしく、感動してしまい、映画館で見ることを躊躇していた私でしたが思わず映画を見始めていました。(Amazon Prime Videoで鑑賞しました。)原作は村上春樹の短編小説で、3時間近くある文学的な映画なのできっと途中で飽きてしまうだろうと思いつつ見始めましたが、不思議と引き込まれる内容だったのであっという間に時間が過ぎてしまいました。映像が美しかったからだと思います。
記事のタイトルに映画の中の建築と書かせていただきましたが、この映画では広島を主な舞台に進んでいく中で運転手の女性が主人公をお気に入りの場所へ連れて行くシーンがあります。二人が"ゴミ処理場"にいるという唐突な場面に私は少し混乱しましたがシーンが切り替わると、"見たことがある"建物であることに気づき少し胸が高ぶりました。運転手が主人公を連れてきたのは建築家の谷口吉生氏が設計した「広島市環境局中工場」でした。私自身この建築を知ったのは最近のことだったのでさらに驚きました。リサイクル関連の施設を調べているときにたまたま見つけ、ゴミ処理場らしからぬ美しい建物だったので印象に残っていました。
映画を通し改めてすばらしい建築だと感じました。
この建物にはエコリアムという吹き抜けの工場見学スペースがあり市民に開放されているようなので、ぜひ一度行きたいと思います。
コロナ禍で移動が制限されていて、気軽に旅行に行くことができない今だからこそ、映画を通して建築を見てみるのもいいなと思いました。