2021.02.01NEW
最近、市内ではあちこちで建物の解体が見られ、又、新築される建物が多く見られるような気がします。そこで、解体・建設についての感想を簡略に書いてみます。
私が、この竹下事務所に勤め始めてから早くも40数年の時が経ちました。この40数年の中には、バブル時代(超好景気)やリーマンショック時代(超不景気)があります。その間に、お手伝いした設計物件も含めて、手がけました建築設計は100件以上になります。多くの設計を担当させていただいたことは、とてもありがたいことと感謝しています。
その多くの建築物件の中には、役目を終えて解体された建築が少なからずあります。
その事は、時代の流れの中で仕方のない事とは理解をしているのですが、自分が少しでもかかわった建築物が消えてしまうのを見ると、少なからずショックと寂寥感を抱きます。
もう少し活用の方法を考えて、解体撤去されスクラップになるのを免れなかったのかと残念に思います。建築設計に携わる一人としては、やはり、手がけた建築が40年から50年近くは、愛され親しまれて使用していただきたいとつくづく考えるこの頃です。
この40数年の間には、木造、S造、RC造、SRC造と様々な構造の建築物を設計いたしました。その中でも、特に心の中に印象深く刻まれているのは木造の住宅です。木造の架構が立ち上がり、建て前(棟上げ)時に、じっくりとその木造軸組みの中を木に触れながら歩き、梵天が小屋裏に取り付けられているのを見る時には、しみじみと心より「うれしい。良かったな!」と思うものでした。施主の要望に適って大変喜ばれた住宅には、特に思い出深く愛着があり、末永く大切に使われて欲しいと強く思います。
以上のように、建築設計者としては新築の設計を手掛けるのが本望なのですが、複雑な心境に揺れる毎日です。
岡 田
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