2018.06.18NEW
以前雑誌で伊豆にある三養荘という旅館が紹介されており、機会があれば一度は行ってみたいと思っていましたのでGWにドライブがてら家族で行ってみました。なぜ、この三養荘という旅館を見てみたかったのか。
実はこの旅館は、建築家村野藤吾の最晩年の作品で彼が没してから4年後に完成した、伝統的な数寄屋様式とモダニズムが融合した建築で、広い庭園と一体となった宿泊施設でした。
村野藤吾といいますと代表作の日生劇場や新高輪プリンスホテル、今後改築が予定されております目黒庁舎など当時のモダニズムの潮流をくみながら、それとは一線を引くような華やかで艶めかしい装飾といったイメージがありますが、この三養荘やウェスティン都ホテル京都の佳水園の様な伝統とモダンが融合された数寄屋建築も非常に村野らしい見ごたえのある建築だなあ、と感動しました。
学生時代今井兼次先生が設計した大多喜町役場庁舎を見に行きスケッチしたり平面図や立面図をトレースしたりしましたが、建築を学びだした頃は今井兼次や村野藤吾といったモダニズム建築の美しさや力強さが理解できずその当時の流行りの建築ばかりに目が行きましたが、アートではないですが作家の没後でも評価されているものは本質的な良さがあり時代が変わっても色あせないものだとつくづく感じました。
竹下昌臣
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