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museum

2018.06.25NEW

海外へ旅をするとmuseum(美術館・博物館)の来館者の数に驚かされてしまいます。

昨年社内研修旅行で訪ねたメトロポリタン美術館やグッゲンハイム美術館も平日にも関わらず大変な賑わいでした。

我々は展示品と建物を両方鑑賞してしまうといったお得な見学コースでありながら、なかなか国内で足を運ぶ機会がありません。

先週末には都内ではDIGITAL ART MUSEUM「teamLab boarderless」がオープンし、museumの形も中身も変え新しい時代を予感させます。

そんな週末に末っ子の通う高校の用事を済ませ、隣町の「横須賀美術館」へ行ってきました。チャンスは突然やってくるもんだとつくづく実感します。

10年前に話題になった北川原温さんの「キース・へリング美術館」は何度か訪れ、緩やかな斜面に組み込まれた真っ直ぐな面が一枚も無い空間構成に毎回刺激を受けていました。ここは一人の作家のオーナー展示とあって作品と建築が大きく呼応しています。まあこれも毎年子ども達と行ったキャンプに強引に絡めていたわけですが。

同時期の山本理顕さんの「横須賀美術館」はグリッド構成だとか鉄とガラスの2重構造だとかついついディテールばかりに目が奪われ、何度も本を見ているうちに何となく消化してしまっていました。

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あいにくの雨だったのですが、まず衝撃だったのは横須賀の「海」です。浜松も同じ太平洋の環境ですから風や塩害には建築を計画するうえで共感していました。ところが、見える景色が全然違うのです。敷地の南に開いた間口の幅で大きな海と空のキャンバスがあり、そこをビックリするほど大きなタンカーや軍艦やヨットが秒刻みで構図を変えるのです。一日中眺めて居られる景色でした。さすが「東洋一の商港横浜♫」へつながる海です。

建物の中からは切り抜かれた丸窓や2重壁の隙間から船が浮かぶ海がよく見えます。自然光を上手に取り入れた気持ちのいい空間でした。海からの景色も配慮されていて駐車場や建物を地下に埋め込み、まさに環境に溶け込んだ建物となっていました。10年経ってあちこちに劣化が見られましたが、横須賀市のシンボルとしてmuseum以上の役割を担っている感じがしました。

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建物は実際に訪れないと本質が伝わらないとつくづく思い知らされます。

少しづつ時間ができてきた休日に若い頃を思い出してあちこち訪ねてみようと思います。

大手寛

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