先週のブログ担当の田中さん他数名とニューヨーク近郊に一昨年完成したグレイス・ファームズ(設計:SANAA 妹島和世+西沢立衛)という建築を見学できる機会を得ました。
もともと農場だった広大で豊かな自然環境溢れる敷地に建てられた地域センター的な役割を担う建物です。
礼拝堂や体育館、食事ができる場所など様々な用途が与えられています。
建物はというと、、、
ぐにゅーんとアメーバ状で得体のしれない形態が地形にながーく添わされています。
緩く長い曲線に、緩やかな高低差。
建物は、伸ばせば300m以上、平屋建てなのに床のレベル差15mくらいにはなるでしょうか。
建築誌などで予備知識はあったものの、こういう建築は写真ではわかりません。
その場に行き、実際に見て、歩き、その場所を体感するに限ります。
そんな貴重な機会をいただきました。
設計者であるSANAAも機能面と環境の両面を同時に考えようとしたとき、建築が曲線であることの有意性を言われており、
これは、ボクも近年関わらせていただいている建築でも感じている点です。
自然環境との接続は、その境界が直線では対立してしまいがちですし、ある場所に中心性を与えようとするとき、その場所から放射状に機能を配置することは非常に有効であるといえます。
人の移動や活動も直線よりも曲線・曲面であることで、広がりや豊かさを与えることもできると思います。
こういった場所で、こういう建築を体感でき、
おおらかな海外のスケール感や文化にも刺激も受け、
常日頃、固く縮こまりがちな頭をやわらかーくしながら、クリエイティブな仕事をしていきたいと思うのでした。
建築とランドスケープ。
最近特に、この言葉がボクの頭をぐるぐる巡ります。
平野正典