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鰹節(その2)

2016.12.05NEW

前回鰹節の製造工程を述べました。

1.生切り(頭切り、身おろし、身割り) 2.籠立て(かごたて)

3.煮熟(しゃじゅく) 4.骨抜き 5.水切り焙乾 6.修繕(そくひ)

7.焙乾(ばいかん) 8.日乾 9.けずり 10.かび付け

1.生切り

  頭部内臓を除き、背と背皮をはぎ取って血液等を洗い流し両片身を離す。

2.籠立て

  身おろしした肉片を籠に並べる。並べる時に肉の形をよく整えて並べないと煮熟によって肉が固まり形が悪くなって後で直せなくなるので非常に注意を要する。以上の生切り、籠立てともに非常に熟練を要するため、よく慣れた職人が行う。

3.煮熟

  籠立てをし、並べられた鰹を籠ごと釜の中に入れて煮る。煮熟は一定の温度でお湯が沸騰しない様にし(98℃くらい)鰹の大小によっても異なるが大体20~60分くらい。

4.骨抜き

  煮熟の終わったもの、釜から籠ごと取り出ししばらく放置して冷やす。適当に冷えたらたらい等に入れ、水中で皮や骨を取り出す。

5.水切り焙乾

  骨抜きの終わったものをせいろに並べ、このせいろを6~7枚重ねて焙乾場にかけ下から堅木のまきを燃やして(燃すのでなくいぶらす)乾燥させる。

6.修繕

  骨抜き、その他の原因で傷ついた部分を修繕する。

7.焙乾

  修繕の終わった節をせいろに並べ、せいろを5~7枚ずつ焙乾場にのせて、下に堅木のまき(なら、くぬぎ)をいぶす。1日1回85℃程度の温度で40分から1時間程度焙乾したら火から外して一晩放冷し、これを何回か継続する。

8.日乾

  焙乾の終わった荒節をせいろ又は樽(たる)に並べ1日数時間、2~3日天日にあてて日乾をする。

9.けずり

  日乾の終わったものは、節又は樽(たる)に詰めて3~4日おくと表面に水分が出てきて柔らかくなる。この時期小刀等にて皮の部分だけを残し、表面の黒褐色の汚い層だけを削り取る。これを裸節又は赤むきという。

10.かび付け

  裸節は再び日乾を行い箱に詰め1週間~10日位で表面に青緑色の青かびが一面に生じる。これを一番かびといい、これを4~5回繰り返すと5回目くらいにはかびの色も青緑から灰白色と変化し、かびの形も小さくなる。

鰹節のあの独特な香りと味はこのかび付けによって作られると言っても過言ではない。

以上のように様々な過程を経て鰹節が出来ていく。製造開始から3~4ヶ月で始めて製品となっていく。

 村田

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