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"薬味"

2016.03.07NEW

西洋料理では日本で言う薬味に当たるものはスパイスといい、家畜や野獣の

肉の臭気をまぎらわしたり、防腐効果のあるものを使うことから出発して

香料が発達してきたといわれます。

日本で薬味という場合は、生姜や唐辛子が食あたりを避けるといわれ、薬の作用も

多少は考えられていますが、むしろ新鮮な食物の風味を一層引き立てることに

重点が置かれます。

麺類に用いられる薬味は少しの葱、おろし大根、わさびなどが主で、芥子、みょうが、

柚、海苔、七味唐辛子、生姜などが普通は使われます。変わり種としては、とんかつそば、

コロッケそばに使う胡椒があります。

『せいろそば』には東京では、おろしわさびと葱が普通ですが、辛味大根のおろし、

おろしわさび、刻み葱、そして七味唐辛子等お好みで使われる店も多くなっています。

七味唐辛子には、東京のやげん堀の七味、京都の七味屋の七味、信州善光寺名物の七味と、

大きく3つの系統がありますが、このうち辛味の強いのがやげん堀系統のもので、

京都のものは山椒の香りの強い味のやわらかいものです。そばにはやげん掘系の

辛いものが合うのではと思います。

七味には、芥子の実、山椒、胡麻、陳皮、麻の実、青海苔、唐辛子などが入っており、

その割合によって味わいに違いがあります。唐辛子はその名の如く、桃山時代に

ポルトガルによって伝えられて、俗に『南蛮』とも呼ばれ、辛味の雄として

八方、三鷹などが知られており、日本は最も優秀な唐辛子を産します。

辛味成分はカプサイシン、赤い色素はカプサテン、ビタミンCやAも多いとの事です。

七味唐辛子は『うどんすき』など、うどんにも同じ辛味のきついものを使います。

『せいろそば』は、そばの香気を楽しむものだから、葱もわさびも海苔も要らない

と言われる方もいますが、いずれもそれぞれの好みに合わせて楽しんでいただければ

いいのではと思います。

村田

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