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娘と夏休み

2014.09.08NEW

谷野です

 

夏休みで帰ってきていた娘が戻っていく時に建物を見に行くのを誘われた。

武蔵野美術大学の図書館だ。

そのためだけに東京に行くつもりはなかったが、私も家内も夏休みだし、来春から娘が住むであろう街を下見に行く事、横浜から遊びに来ていた弟親子を送りながら、車で一泊で行くこととした。

その図書館は通常は一般には開放していないが大学のオープンキャンパスに合わせて2日間だけの一般開放があった。まさにピンポイントで色々な条件が重なり見学しに行く気になった。

正門から入って行くと正面に美術館。大学の教授をしていた葦原義信さん1967年の設計だ。

これ以上シンプルにはできないとだろうと思われるくらいシンプルなファサード。しかし美しい。なぜだろう?

おっと、ここで関心しているヒマはない。11時30分から図書館員による図書館ツアーが始まるのだ。後1分。図書館はこの美術館の後ろにある。正面からはその姿を見ることは出来ない。美術館の中を通って図書館に向かう。

着いた時にはツアーはすでに始まっていたがなんとか一緒になって見学する事が出来た。

武蔵野美術大学の図書館は藤本壮介さんの設計で2010年3月に竣工している。

一見乱雑に並んだ高い天井までの本棚。どこを見ても本棚。壁はおろか柱も見えない。まさに本棚の森。大きな窓と大きなトップライト、高い天井で明るく開放的だ。ガイドさんの説明で設計コンセプトや仕掛けが分かってくると益々おもしろい。乱雑に見えて規則性の有る本棚の並び。若い建築家の表現する空間を肌で感じることが出来た。こんな素敵なところで勉強できる学生がうらやましい。

ただ、個人的には昔からの薄暗く本のにおいがする図書館が懐かしい。そこには本の中に住む色々な人々の気配がする怪しい空間だった。

この年になると自ら進んで有名な建物を見に行くことも少なくなってしまい、ここ数年は娘と一緒に見に行く建物が多くなった。おかげで新しい空間に出会うことができる。うれしいことだ。

DSC_0194.JPGのサムネイル画像

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